パラグアイ:バスの中で財布を奪われ大ショック&大使館の職員に感謝

ブエノスアイレスへ移動するため、長距離バスターミナルへ行くべく、市内バスに乗り、そろそろバスターミナルに到着という時に事件が起こった。

かなり混雑していたのだが、バスの降り口付近で、4人の男に囲まれた。
大きなザックを執拗に引っ張ってくるため、当初はザックを降ろすのを手伝ってくれるのかと思ったのだが、なんか違うようだ。
そのうち小さなザックにまで手をかけだした。
奪われそうな予感がし、かなり強く握り、どうにか自分の方に引き寄せた。

小さなザックこそカメラなど高価なものが入っているので、相当気を使ってバスを降りたのだが、その瞬間に財布を盗られたことに気がついた。

彼らが、はじめはかばんを奪おうとしていたのか、そもそも財布を奪おうとしていたのかはわからないが、とにかく財布がない。

4人組は、バスを降りて、散り散りに走っていってしまった。

財布の中には、アルゼンチン・ペソとUSドルと、小額のパラグアイ・グアラニーがおよそ2万円弱入っていた。
いつもはこんなに持ち歩いていないのだけれど、国境越えということもあり、以前にプエルト・イグアスで両替しておいたアルゼンチン・ペソを入れておいたのが失敗だった。

さらに、常に使っている上限金額が大きいクレジットカードまで盗まれてしまった。

その瞬間は、大パニックである。
まだ、財布にいくら入っていたかなどまで頭も回らず、クレジットカードを盗まれたことでショックが大きかった。

バスターミナルだったので、大声で警察を呼ぶも現れない。
というか、近くにいるのだが、我関せず的な雰囲気だ。

大パニックになりながらも、どうにかバスターミナル内の交通警察のオフィスに辿り着いた。
しかし、当然ながらスペイン語しか通じない。

とにかく、クレジットカードをストップしたく、伝えるも反応が鈍い。
財布を奪われたといえど、まだ他の場所にいくらかは持っており、それで払うから電話局に行くと言っても、全然話が進まない。

「とにかく、落ち着いて待て」
と言われる。

いろいろな場所に電話をしてくれるも、何も進まず、自分でどうにかしようと出て行こうとするも、
「とにかく、落ち着いて座れ」
とばかり言われる。

そうこうしているうちに、バスの出発時間まで近づいてきてしまった。
南米のバス故に、チケットだって決して安価ではなく、
「払い戻したい」
と言っても、全然埒が明かない。

いろいろ連絡をし、日本大使館に連絡が取れたらしく、日本語を話せる職員の人と会話ができた。
どうにか事情を説明し、交通警察に伝えてもらい、まずは無事にチケットをオープンに変更してもらうことができた。

さらに、大使館の方が、わざわざバスターミナルまで来てくれるとのことだ。

まず、残るやるべきことはクレジットカードを止めることだ。
もちろん止めるには止めるのだが、その時点で、次の目的地の南極について大いに不安がよぎってきた。

というのも、盗まれたのは普段から使用している上限金額の大きなクレジットカードであり、今回の旅で最もお金を使うと思われる南極目前にして、盗まれてしまった。
キャッシングでお金を下ろして、南極に行く予定だったため、ツアーの値段がわからないだけに、お金が足りないのではないかという不安を感じてきた。

と同時に、盗まれた実感がヒシヒシと湧いてきた。
大使館の方を待っている間、何度、ため息と
「まじかぁー…」
という言葉を繰り返していたことか。

30分ほどし、大使館の方が駆けつけてくれた。
土曜で、休みの日なのに大変申し訳ない。

事情を説明し、さっそく領事経由で、クレジットカード会社に連絡し、ストップをしてくれた。
その後の、処理は本人が行うらしく、再発行などは後ほど連絡をすることになった。

とにかく、クレジットカードの不正利用という最悪の被害は免れることができた。
大使館の方曰く、
「ブラジルなどではスキミングなどに発展することも多いが、パラグアイではそこまでの技術はなく、現金狙いのはず」
とのことだ。

その後、盗難証明を発行してもらえる警察署まで連れて行ってもらった。
盗難証明の発行には通常24時間かかるらしいのだが、そうするとただでさえ本日移動するはずだったブエノスアイレスに明日も移動できないことになってしまうため、即日発行してもらえることになった。

すべてスペイン語しか通じず、色々手伝ってもらえてなければ、とてつもなく大変な思いだったと思う。

その後もさらに、一端バスターミナルまで連れて行ってもらい、翌日のチケットの予約をし、さらにホテルまで連れて行ってもらった。

とにかく何から何まで助けてもらえ、本当にありがたかった。

また、ショックを受け、気持ち的にもどん底に凹みかけていたところを、
「怪我がないことが一番だ。
パスポートや現金、他のクレジットカードもあるのだから、不幸中の幸いだ。
起こってしまったことは仕方ないから、気持ちを切り替えて、また旅を楽しみなさい。
被害は最少だし、いつか笑って話せるようになる」
など、いろいろ元気付けてまでもらった。

手続きを色々してもらえたことはもちろん、日本語で話しているうちに自分自身も落ち着いてきたし、ほんとうにありがたかった。

しかし、財布だけで、小さなザックが盗まれなくて本当に良かった。

危険エリアのギアナ三国、ベネズエラ、ブラジルを終えて、気が緩んでいたのかもしれない。
南米だし、盗難の可能性は常にあると思っていたが、実際に自分に起こるととてもショックだ。

翌日は、タクシーでバスターミナルに行くことを決心した。
大きなかばんを持っての市内バス移動はちょっとトラウマになってしまった。

一方で、パラグアイは比較的治安が良いということで、自分のミスと思えることもある。
普段は、バスなどでも、財布は開かず、直接小銭で払っているのだが、今回はバスの中で財布を開いてしまった。
(なぜかバスの値段が、事前に乗った時よりも高かった。)
さらに、いつもは大荷物の移動時には、カーゴのポケットのボタン付ズボンを履いていたが、今回はただのジーパンで移動していた。

もちろん、もし今回簡単に財布が犯人の手に渡っていなければ、エスカレートして、本気でかばんを奪いにきていた可能性もあるので、何ともいえない。

全ては結果論だし、いまさらである。

しかし、クレジットカードの保管方法については改めて考え直そうと思う。
財布の中の見えない場所に入れていても、盗まれたらお終いなのだ。
そして、財布の使用も考え直そうと思う。

現在、財布は1つもない状態なので、いくつか購入し、分散して、かつ小額を盗まれやすい場所に置いておく様にでもすべきか。

ホテルに戻り、早速カード会社に連絡し、再発行の依頼をした。
1週間程度で自宅に届くらしい。

後は、残りのクレジットカードで、南極分などの支払いもできるかだが、計算をしているうちに、どうにかなるかもしれないと思えてきた。

そうこうしているうちに、欲も出始め、失った2万円弱がもったいない気もしてきたが、逆に殴られて大怪我などの可能性もあったわけだし、良いと思おう。

さらに、ここがアスンシオンで、大使館の方々に本当に親切に対応してもらえたのも、不幸中の幸いだったのは間違いない。

各地の情報ノートで、
「ブラジルで、バスでバスターミナルに向かっていたら、拳銃強盗にあった」
などとの記載もあった。
そんなのありえないだろうと高をくくっていたが、大勘違いだった。
南米では、普通に起こりえることがわかった。

もちろん物価の高い南米で、常にバスターミナルからの移動でタクシーを使うのは不可能だ。
しかし、常に候補に入れようかなとも思う。

大使館の方曰く
「年末が近づき、強盗などの発生が増える」
らしい。

また、
「土日のバス内での被害には気をつけるべきだ」
とのことだ。
なんとなく、土日の方が空いているし、盗まれる可能性が低そうに感じるが、実際には逆らしい。

それにしても、最近の実家への連絡が、ネガティブなものばかりになってしまっている。
もちろん意図してではないのだけれど、申し訳ない。

旅の歯車がすさまじく狂っている。
どうにか修正したい。