サンティアゴからカラマへは22時間のバス移動と聞いていたが、予想よりだいぶ早く20時間程度で到着してしまった。
夜行バスを利用していたので、むしろ早く着いてしまったのは誤算だった。
カラマは治安が悪いと聞いていたが、まさしくその通りといった感じで、早朝5時にバスを降ろされると、路上で寝ていたホームレスが、何か言いながらどんどん近づいてくる。それも1人だけではなく、3人もだ…。
まるで、バイオハザードの村に入ってきてしまったみたいだった。
すると、同じバスの乗客で、家族が車で迎えに来ていたおじさんが、急遽、
「ここは危ないから、乗りなさい」
と助け船を出してくれた。
ただ、正直なところ、このおじさんすら信じていいかわからず、かなり迷ったが、結局とりあえず車に乗せてもらい、その場を脱することにした。
結局、おじさんはとても良い人で、一緒に宿も探してくれた。
残念ながら、どこも満室だったのだが、早朝のカラマをうろつく気にはなれず、比較的高めのホテルのロビーで待たせてもらうことにした。
日が昇ってしまえば、カラマも決して危険な雰囲気ではなく、うろつけるようになった。
カラマ行きのバス。
カテドラル。
労働者の像。
労働者の像その2。
カラマでの目的はただ一つ、世界最大規模の露天掘の銅山チュキカマタを見に行くことだったので、ツーリスト・インフォメーションでツアーの申し込みをすることにした。
しかし、なんとその日のツアーは満席とのことだ。
物価も高く、治安面でも不安を残すカラマに2泊もしたくなく、悩んでいると、
「直接、オフィスに行ってキャンセル待ちをすれば、参加できる可能性がある」
と、ツーリスト・インフォメーションの人が教えてくれた。
キャンセル待ちの可能性にかけて、早めにオフィスに行ってみることにした。
カラマのツーリスト・インフォメーションは今までのどこのインフォメーションよりも親切で、なんとコレクティーボ乗り場まで連れて行ってくれ、場所まで指定してくれた。
とても助かった。
結局、キャンセル待ちは成功し、その日のツアーに参加することができた。
ツアーでは、まずチュキカマタの町に行き、説明を受けた。
チュキカマタの村だが、かつては数万人の労働者が暮らしていたらしく、シアターなど多くの建物が残っていた。
一方、現在は、ほとんどの労働者がカラマで暮らしているらしく、ゴースト・タウンのような状況になっていた。
理由は不明だが、ガイドの話だと、今のチュキカマタの村は危険なので歩き回ってはいけないとのことだった。
しかし、チュキカマタの町は想像以上の規模だった。
建設現場用の町というよりも、普通の町として存在しているのである。
レストランも、教会も、何から何まで仮説という雰囲気ではなく、通常の町と同じだった。
個人的には、銅山よりも、町に惹かれたが、残念ながらあまり見学することはできなかった。
その後、バスで銅山の中を走りつつ、露天掘のビューポイントへ向かった。
途中、日本のコマツ製とドイツ製の大型トラックと何度もすれ違いつつ、展望台に到着した。
さすがの眺めである。
トラックの台数も、世界最大というのが納得できるほど多く、頻繁に行き来していた。
ここでツアーは終了となった。
正直なところ、ツアー自体はイマイチかなという印象だ。
というのも、巡れる場所があまりにも限られていたためだ。
もちろん無料だから仕方ないのかもしれないが、有料でもいいから、銅の精製過程であったり、精製用の大規模ファーネスなどを見せてもらえたら、もっと印象深いものになったのではないかと感じた。
ツアー集合場所。
ツアーに使われるバス。
ツアー集合場所のオフィス。
オフィス内部。
いよいよ出発。まずは、チュキカマタの町へ。
キャンプのような施設が多くある。
今は、ゴーストタウン。
立派な建物があるのに、もったいない。
チュキカマタの町並み。
チュキカマタの町でいったんバスを下車し、説明を受ける。
ツアー参加者は熱心に話を聞いている。
メイン・プラザ。
立派なバーまであったのに。
ツアーで説明を受けた建物。
再びバスで移動。
ほとんどの施設は、車窓からしか見学できない。
プラントって感じで、良い感じ。
大型トラックが頻繁に行きかっていた。
引切り無しにトラックがやってくる。
ここまで大きいと大迫力。
銅山展望台で下車。
写真ではわからないが、相当大きい。粒のように見えるのが、大型トラック。
そして、またも大型トラックが。
トラックは、日本製とドイツ製らしい。
人やバスと比べると、トラックの大きさがわかる。
展望台。
最大の顧客は日本なのだとか。
だったら、もっと日本人を優遇してくれてもいいのに。
またも、車窓からのみプラントを眺めて、ツアーは終了。