ラ・パス近郊には、標高4700メートルから1100メートルまでを自転車でわずか3時間足らずで駆け下りる、通称デス・ロードと言われる場所がある。
ほとんどが未舗装の砂利道で、道幅数メートルの場所が多く、対向車も来るし、ガードレールももちろんないため、毎年数百人もの死者が出ている危険な道だ。
日本人は昨年1人がなくなっており、直前に訪れたウユニでも全治3ヶ月の怪我をしている人にも出会った。
当初、全く興味がなかったのだが、あまりにも多くの人が行きたいと言っているのを聞いて、少しずつ興味が湧いてきてしまった。
そして、参加者は、デス・ロードを走破したというTシャツをもらえるという点が引き金となり、参加することにした。
ラ・パスには、デス・ロードのツアーを扱った旅行会社が多くある。
ただ、実際に、デス・ロードのツアーを催行しているのは、5社程度で、その他の旅行会社はただ斡旋のみをしているようだ。
ウユニを一緒に抜けた梢ちゃんと、ラ・パスで出会ったカイト君と、日本人3人で参加することにした。
ツアーの値段はかなりまちまちだったのだが、旅行会社の説明を聞いても、あまり差があるようには思えなかった。
どうせなら、Tシャツのデザインで決めてしまおうということで、旅行会社を選んだ。
今回選んだ旅行会社は、値段も高すぎず、安すぎずの中堅であった。
今回のツアーメイトは、全部で7人だった。
その他の旅行会社でも、だいたい10人程度の参加者のようだった。
一方、1社だけ格安で催行しているところがあり、その会社は30人近く参加しているようだった。
はじめは、あまりツアーメイトが多すぎると危険なんじゃないかと思ったのが、あながちそうでもないようだった。
多くの参加者がいれば、レベルもばらつくため、スピードを出したい人と、ゆっくり走りたい人が別れており、自由に走ることができそうだった。
一方、ツアーメイトが少なければ、そのペースに合せなければならず、自由度は低いように感じた。
今回参加した代理店は、相当なスピード狂の集まりで、少なくともその日では、他のどの代理店よりもスピードを出していた。
抜かれることなど一切なく、他の代理店の参加者を続々置き去りにしていった。
個人的には、もっとゆっくり景色を楽しみながら走りたかったが、1人だけそんなことを言っているわけにもいかず、ついて行くことに。
スタート当初こそ雪が降っていたが、しばらくすると快晴の天気になった。
とにかく怪我なく、走破することができて良かった。
しかし、正直、さほど危険な感じもしなかった。
無理さえしなければ、十分に完走できる程度のコースだったと思う。
と、同時に、こんなツアーは日本では確実に成り立たないだろうとも感じた。
ボリビアだからこそ、通用する内容だと思う。
現に、多くの人が死んでいるわけだし、保険にも入らず、誰でも参加できるのは脅威だ。
デス・ロード完走後は、旅行会社の提携ホテルで、シャワーを浴び、プールに入り、昼食を食べて、またラ・パスへ戻ることとなった。
帰り道のラ・パスの展望なども美しく、充実した1日になった。
早朝、自転車を積み込み出発。
デス・ロードがどんなものか、たぶん皆少しハラハラしている。
スタート地点に到着。
周囲は霧が立ち込め、みぞれが降っていた。
途中、チェックポイント。みぞれがやんだ。
このトンネルは危険なので、脇道にそれる。
ちょっとした村に到着。
ここでいったん車に自転車を積み込み、移動。
と同時に、チェックポイントでお金を払う。
再び再開。ここからは未舗装道路。
急坂をひたすら下る。
道路はこんな感じ。
ガイド曰く、時速45キロくらいで走ったとか…。
自然はきれいだけど、見る余裕なし。
ただひたすら下るだけ。
結構、腕が疲れる。
ようやく町らしきものが見えてきた。
ゴール!
しばし休憩。
こんなレトロなバーも。
その後、旅行会社提携ホテルで一休み。
昼食。
プール付き。
お湯シャワーも浴びられて満足。