カンボジア:トラブルの連続~シェムリアップへの道

カオサンから直接ツーリストバスでシェムリアップに向かう方法もあったのだが、何となく列車で行くということに惹かれ、個人で行くことにする。
ホアランポーン5:55発の列車に乗り、アランヤプラテートへ向かう。
途中から田舎の風景を楽しみ進む。
社内はガラガラだったので、3等だったが座席上で横になって眠ることもできた。
ただ、社内にはゴキブリが走っているなどちょっと衛生面で問題はあった気もする。

そんなこんなで、5時間半ほどの列車の旅を終え、アランヤプラテート駅に到着する。
駅から国境まではちょっと離れているのでモーターサイで移動をした。
国境横には大きなマーケットがあり、少し見学したい気もしたが、シェムリアップに夜遅くなって到着したくなかったので、先を急ぐことにする。
カンボジア・ビザは国境で即時取得可であったが、国境では賄賂を要求される可能性が高いとのことでバンコクでとるのが無難との情報を聞いていた。
案の定賄賂を要求され、1000Bのはずが1200Bとられる。
「1000Bだろ」
と言っても、相手が聞く耳を持たないのでどうしようもない。
これがカンボジアなのかといった感じだ。
カンボジア側に入った途端に、道路の舗装がなくなり、町の柄も一気に悪くなった。
カンボジア側の町ポイペトは、現在はカジノで栄えているらしいが、カジノと言ってもラスベガスやマカオのような綺麗な建物が並ぶわけではなく、ぼろい建物が並んでいるだけである。
また、この町は治安が良くないらしく、面倒なことは避けたいので、一気に通り抜けてしまおうと考える。

2004Cambodia088

治安の悪さが伝わってくる。こんな柄の悪い子どもがいるなんて…。

ポイペトからシェムリアップへは、ピックアップ・トラックで行くことができると聞いていた。
ただ実際に国境を越えてみると、ミニバスも運行されているようであった。
おそらく、列車の時間に合わせてツーリスト向けに運行されているのだろう。
素直にツーリスト・バスに乗ればよかったのだが、何となく冒険心が出てピックアップ・トラックで行ってみたいなと思ってしまった。
今、考えればこれが大失敗の始まりなのだった。
バスの横にピックアップ・トラックがおり、
「いつ出発するの?」
と尋ねると、
「すぐに出発する」
との答えが返ってくる。
さらに、
「ツーリスト・バスは速度が遅いから駄目だ。ピックアップのほうが早く着く。」
とのこと。
素直にこれを信じてしまい、ピックアップに乗り込む。
どうやら満員にならないと出発しないらしいが、それまでには相当時間がかかりそうな気がする。
しかしドライバー曰く
「すぐに集まるから気にするな」
とのことであった。
他の客を待っている途中、
「お前は、カンボジアの金を持っていないだろう」
とのことで、両替所に連れて行かれるが、あからさまにレートが悪く両替を拒んだ。
この頃から、騙されていることに気づいていたのだが、既にバスは出発しており、頻発していないようだったので、諦めてこのまま向かうしかない。
結局、ずーっと待たされ、出発したのは15時半頃であった。
既にツーリスト・バスが出発してから3時間は経過している。
出発する際に、乗り込んでいる人全員の料金を徴収された。
あまり信用できそうでなかったので、わざと全員の乗客の前で料金を払い、払った払っていないで揉めるのを防ごうと考えた。
また、行き先もシェムリアップまでダイレクトであるということをしつこく確認しておいた。

ようやくピックアップ・トラックが出発した。
ピックアップ・トラックはただのトラックの荷台に乗っているわけだが、超満員であり、必死につかまっていないと落ちてしまいそうである。
実際足を少し動かす隙間もないほど。ぎゅうぎゅう詰めであり、さらにカンボジアの悪路も重なってかなり辛い。
カンボジア特有の赤土も否応なしに飛んでくる。
また、カンボジアはまだ治安が良くないと言われており、ちょうど数日前にも強盗に襲われ、ツーリストが殺されたと聞いていた。
実際、ピックアップ・トラックが出発して、しばらく進んでいるとあちこちに「銃を返却しましょう」とか「AIDSに気をつけろ」と言ったような看板がある。
ストップ・エイズの看板は見たことがあったが、銃を返却しましょうというのは初めてであり、この国の現状を表しているなと実感できた。
もう今更どうしようもないのだが、最悪な国だと第一印象は最低になる。

2時間弱走り、シソポンに到着する。
するとドライバーが
「ここまでで乗り換えろ」
と言い出す。
あれだけ、シェムリアップまで直通だと聞いていたのにである。
さらに
「料金を払え」
とまで言い出す始末だ。
もう既に払っている。
当然、イライラが限界に来ていたので大喧嘩をし、ちょうど近くにシェムリアップ行きのピックアップ・トラックが来ていたのでそれに乗り込む。
先ほどのドライバーが
「料金を払え」
としつこく迫ってくるが、断固払わず、怒鳴りあい。
シェムリアップ行きのドライバーに事情を説明したところ、納得してくれ、先ほどのドライバーを追い払ってくれた。
今度のドライバーの方がまともそうである。

結局、シソポンでも客待ちをすることになり、1時間ほど時間が遅くなる。
この時点で19時を過ぎており、既に辺りは真っ暗である。
シソポンに泊まってしまおうかと考えたが、早くシェムリアップに着きたい気持ちが強く、先に進むことにする。
夜に、ピックアップ・トラックで進むということで治安に大いに不安があったが、もう今更である。
シソポンで客待ちをしていると、ドイツ人のサラと言うツーリストが同じピックアップに乗り込んできた。
彼女も同じような経緯を経て、シソポンにいるらしい。
結局、ピックアップを利用しようとすると同じような経験をするようだ。
何にせよ、ツーリストがいたというのは心強い。
さらに、途中から日本語が話せるカンボジア人が乗り込んできた。
学校の先生をしているらしい。
治安について尋ねると、
「今はかなり落ち着いているから心配する必要はない」
とのことだ。
信用するしかない。
シソポンを出発し、いよいよシェムリアップに向かう。
途中、スコールのような大雨が降ってくる。
当然屋根はないので、びしょびしょになり、さらに赤土が飛んでくるので服などどろどろだ。
ただ、今回は同乗者に恵まれたため、会話をしながらであり、それなりに楽しむことができた。

途中、シェムリアップに近くなってきたところで少し休憩があった。
もう喉もカラカラでありジュースを購入するが、ここでまたハプニング。
小学生くらいの子供が売っていたのだが、手品のように500B札を盗まれてしまった。
細かいお金を探そうとしている最中に、ほんとに一瞬で500B札が消えてしまったのだ。
ここまできた疲れと、そろそろシェムリアップに到着できるという油断もあったのだろうけれど、次から次へと嫌なことが続き、どんどんこの国が嫌いになっていく。

さらに30分ほど走り、ようやくシェムリアップに到着した。
ピックアップ・トラックが停車したところにホテルの客引きがたくさん集まってきた。
ホテルの当てもなかったし、これ以上夜1人で移動するのも相当に億劫だったので、サラと同じホテルに向かうことにする。
結局、到着は22時になってしまった。
本当に疲れた。
でも、シソポンからは同行者がいて本当に助かったと思う。
街灯も全くなく、夜道で、スコールに打たれ、泥が飛んできて…とまさに地獄である。
あぁ、疲れた。

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