昨日、宿のスタッフが作ってくれた足の薬草は、驚くほど効果があり、6割程度まで回復した。
まだ、痛みはあり、ちょっと引きずり加減になるが、ゆっくりであれば歩けないことはない。
ほんとに居心地のいい宿で、最後には、あと数日間は自分で続けなさいと薬を作った原料の草を土産に持たせてくれた。
お湯や温めたココナッツオイルを用意できないので、使うことはできないが、気持ちがとてもありがたい。
(結局、仏領ギアナの検問などで、説明がとてもむずかしく、麻薬と思われたくないため、処分してしまった・・・)
1日遅れだが、仏領ギアナへ向かうことにした。
パラマリボから、スリナム側の国境の町アルビナヘは、政府運行のバスと、乗り合いタクシーの2通りの行き方がある。
政府運行のバスは、8スリナムドル、2011年10月時点でだいたい200円程度で乗ることができる。
一方、乗り合いタクシーだと、交渉次第だが、15~20ユーロ程度、つまり2000円くらいかかることになる。
値段があまりにも違うので、バスで行くことにした。
バスは、毎日8:30、12:00に運行されている。
地元の人曰く、直前に行っても大丈夫とのことだったが、すぐに売り切れることもあるらしいので、注意が必要だ。
バスが現れると同時に、並んでいたのも無視して、窓から自分の荷物をどんどん投げ入れ席を確保する黒人たちは、まさにイメージしていたアフリカそのもので、だいぶ衝撃的な光景を目の当たりにした。
仕方なく、タックルをしてなんとか席を確保。
しかし、黒人は男女問わずガタイがいいので、タックルをしても、インドの時のような効果はなく、むしろ跳ね返されるくらい。
乗り合いタクシーを使った人記載の情報ノートで、アルビナまでおよそ3時間とのことだったが、バスは驚くほどゆっくりはしる。
舗装道路ではないのだが、少しの凹凸の度に、停まりそうなくらいスピードを落とすのである。
結局、5時間もかかってしまい、予想よりだいぶ遅くなってしまった。
アルビナのボート乗り場。
イミグレ。
アルビナのボート乗り場その2。
アルビナのボート乗り場その3。
今日中に仏領ギアナの首都カイエンヌまで行きたく、慌ててスリナム側のイミグレへ。
すると、
「君、フランス語はできるの?」
「全然わからない。たぶん相当ハードだと思う」
「がんばってね」
みたいな訳のわからない会話で、審査終了。
側の対岸が、仏領ギアナなのだが、渡し舟も情報どおり値切り、イミグレ経由で船着場に行ってもらうことにした。
ここのイミグレでも
「おお、日本人かー。
めずらしい。
ウエルカム!」
と、荷物審査もなく終了。
ここまで順調すぎるくらい順調だ。
仏領ギアナでは、定刻のバスはなく、乗り合いタクシーが一般的らしい。
どうやらカイエンヌ行きはしばらく出発しそうにないので、サンローラン・ドゥ・マロニーの町を見てみることにした。
サンローランの船着場。
乗り合いタクシーの客引き。
あんまり雰囲気のいい場所ではなかった。
船着場前の売店。この辺の両替商は、騙そうとしてくるので注意。
ここには、フランス本国から送られた流刑者たちが一時的に収容されていた強制収容所があるのだが、展示の説明も少なく、保存の仕方もひどすぎて、重要さがわからず。
なんとなく、建物が富岡製糸場に似ていた気がした。
展示の仕方など、日本の富岡製糸場を見習って、直せばいいのに。
昨年訪れたのだが、富岡製糸場は世界遺産登録に向けて、町をあげて努力していて、見ごたえもあるすごい史跡だった。
強制収容所。
収容所内の建物。
収容所の外壁。
修理中の建物も多い。
案内板などがなく、かなり不親切。
明らかに新しそうな建物。
これらは当時のまま?
車が入ってきてしまうところも、趣がない。
全体像。
収容所の様子。
収容所の様子その2。
映画の舞台にもなったのだとか。
収容所の様子その3。
収容所前の広場。観光の中心らしい。
裁判所。
町の中心。閑散としている。
人が誰もいない。
開いているレストランはいくつかだけだった。
さて、乗り合いタクシー乗り場に戻るも一向に人が集まる気配がなく、結局3時間近く待つ羽目になってしまった。
この時点で16時頃であり、どう考えても日が沈む前に、250キロも離れているカイエンヌに到着するのは不可能になってしまった。
乗り合いタクシーは、かなり広々しており、140キロくらいのスピードで飛ばし快適だが、いかんせん3時間程度乗るだけで、40ユーロもかかるという破格の値段である。
途中、警察の検問でながなが停められるなど、結局カイエンヌに着いたのは20時になってしまった。
事前に、調べておいたカイエンヌ唯一の安宿La Bodegaは、なんと閉店したらしい。
仕方なく、近くのHotel Centralに向かうも満員。
ホテルの情報は、他に持っておらず、周囲を見てもホテルが見当たらない。
しかたなく、Best Western系列のHotel Amazoniaという明らかに高級ホテルに行くことにした。
この時点で、1泊150ユーロの出費は覚悟である。
お世話になったホテル・アマゾニア。
というのも、昨日フランス人に
「カイエンヌは危険だから、夜歩くのはやめなさい」
と言われており、だいぶ警戒していたのだが、先ほど乗り合いタクシーで通称シカゴ地区を見て、なるほどと感じたためである。
白人は夜は出歩いていないようなのだが、多くの黒人が路上で、酔っ払い、踊り、叫んでいるのである。
タクシーで通り過ぎただけで、何人もに奇声をあげられたことか・・・。
もちろんシカゴ地区にホテルがあるわけではないのだが、黒人が路上でたむろして酒を飲んでいるのには変わらず、あまり歩き回りたくなかった。
が、結局、Hotel Amazoniaも満室とのことである。
これは、打つ手なしなのだが、この町で野宿はあまりしたくないし、どうにかフロントに頼み込んだ。
「ロビーでいいから寝かせて欲しい。
寝袋使うから全然問題ない。
なんなら、ロビーで50ユーロ払うけど」
と言うと、いろいろな宿に電話をかけはじめてくれた。
しかし、どこも満室である。
1軒つながらなかった宿に、直接行くことにした。
フロントの人が、ベルボーイに案内するように伝えてくれ、1人で歩かなくてすむだけで心強い。
1キロくらい歩いただろうか。
結局、満室だった。
その宿は、レストラン併設で外がだいぶ明るく、目の前が公園だったので、他の地域より治安はマシかなと、寝袋をひいて寝ることを覚悟したが、その宿の人が知り合いの宿に連絡を取ってくれた。
なんと、奇跡的にシングルが空いているらしい。
結果的には、ロンリープラネットにも掲載されているKet Taiというだいぶ離れた場所にあるホテルが空いていたようだ。
値段は45ユーロとカイエンヌにしては安い。
またも、ホテルのベルボーイが案内してくれた。
最後に、5ユーロ渡すととても喜んでいた。
「いえいえ、こちらこそ」
と言った感じ。
むしろ10ユーロあげてもいいくらい。
親切だったし、何より1人歩きしなくてすんでよかった。
Ket Taiは少し離れた場所にあり、明らかに治安が良くない。
シカゴ地区と、川を挟んですぐの場所にあり、地面は割れた瓶だらけだし、多くの黒人が酔っ払って騒いでいる。
実は、昨日は歩くのを避けるため、カップラーメン1つしか食べておらず、今日は朝から移動で何も食べていない。
ただ、すでに21時半頃になっており、中心部こそ歩ける雰囲気だったが、Ket Tai周辺を歩くのは無謀に感じたので、夕飯は断念することにした。
さて、Ket Taiのオーナーは何と英語が話せる。
この点は素晴らしい。
正直、部屋は相当古びていて、清潔感こそあるが、あちこち見回したら絶対ゴキブリがいそうだなといった様子。
エアコンこそあるが、またも水シャワーしかない。
45ユーロで水シャワーとはさびしい限りだが、選択肢がないのである。
泊まれてラッキーだった Hotel Kei Tai。
どうやら今週、カイエンヌ・フェスティバルがあるらしく、1週間前からどこも大混雑なのだとか。
でも、本当にホテルが空いていてよかった。
昨日、足が痛くて歩けなかったことから、今日はなるべく足を休ませつつ移動しようと思ったのだが、結果は大反対になってしまった。
カメラ含めて30キロ以上ある荷物を背負って何キロ歩いただろう・・・。
傷めた部分をかばうあまり、最後は他の部分が何回もつりそうになってしまった。]
痛みも今朝に比べるとだいぶ増している。
明日、悪化していなければいいのだけれど・・・。